このガンダム最新作を劇場で3回観た。ロードショー中に3回も映画を観に行くのは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が初めて。それ以来のことだ。それだけ強く惹きつけられるものが、この作品にはある。
「キラキラ」って何?
物語を(おそらく)牽引すると思われる(たぶん)重要なタームが「キラキラ」。
シャアが向こう側の世界と遭遇するときに出た光景と(きっと)同一のはずだ。これは『機動戦士ガンダム』第41話『光る宇宙』でララァが遭遇したビジュアルと似ているかと思って見直したが、表現は違った。
キシリアと「オベリスク」──その意味は
作中でキシリアが言及した「オベリスク」という単語が印象に残っている。聞き馴染みがないが、伏線なく出来てきたのでファースト・ガンダム以降の宇宙世紀シリーズで既出の物体かもしれないとも思った。自分はファースト以降はちゃんと観てなかったので、その辺りが弱い。物語のキーになるアイテムと感じた。今後の展開を期待しつつ、しっかり観るぞ。
ジーク・アクスとEVAの機体デザイン
ガンダムとジークアクスのデザインは、どこか『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のエヴァを彷彿とさせる。デザイナーが同じだから? CGで動かす前提や、ある程度理詰めで考えるとると似てしまうのだろうか? まさにカラー×サンライズと言ったところ。
キャラクターに込められた既視感とオマージュ
登場キャラにも既視感のある面白さがあった。「ニャーン」は、『トップをねらえ!2』に登場したトップレスの1人と同じ名前である。偶然か? 意図的なオマージュと考えたくなる。
アンキーは、悪玉グループの女リーダー・ポジションのキャラで、昭和アニメの「三悪」(タイムボカンシリーズなど)を思い出させる。
ジェシーは『トップをねらえ!2』のカシオに似た雰囲気を持ち、鶴巻監督の過去作を知る者にはニヤリとさせる。
マチュの動機と行動の説得力
マチュが軍の非人道的対応に怒り、ザクで攻撃に出る展開。しかしその動機にもっと説得力が欲しい。それが描かれていれば納得する。「熱血さ」で済ませるには、唐突感が否めない。
ザクからガンダムへの乗り換えが“ひらめき”によるように描かれていたのは、シャアの行動をなぞる演出にも見える。
クランバトル形式の戦闘で、当初マチュとシュウジの連携がなく、やきもきした。あんたたちニュータイプじゃなかったの? と思ったぞ。
ヒートホークをはじかれて軌道を読み切った勝ち方も、ニュータイプの“ひらめき”や“共鳴”でなく、地味な印象を受けた。
BGMと世界観のギャップ
BGMに関しては、ポップス調の曲が使われていたのが気になった。ロボットアニメなので勇壮なインストが鳴って欲しい。UC0079パートで、オリジナルのBGMを聞かされた後だと特に。
関係ないだろうが『宙に参る』との共通点
シュウジの連れの小型ロボットは、SFコミック『宙に参る』に登場する「宙二郎」のデザインに似ている。またスペースコロニーという監視が行き届く閉鎖環境なのに、当局の管理を離れてアングラで宇宙で行動できるという世界観がこのコミックと共通しているように思った。製作陣が意識していたかは不明。
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